2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません
俺はすぐに瑞穂の元へ駆けて、なんとか彼女を守ることができた。

『どうしてこんなところに?』

言えるわけがない。あの男を見張っていたなんて。

はたから見たら俺だってストーカーと変わらないのだから。

苦しい言い訳だと思いながら『偶然だ』と答えたら、純粋な瑞穂は簡単に納得したようだった。

いや、たった今起きた出来事のせいで、頭が混乱していてそれどころじゃなかったのかもしれない。


帰りの車で、瑞穂は不安げな顔をして俯いていた。

「瑞穂、大丈夫か?」

問いかけると、瑞穂はハッと顔をあげて、

「はい、大丈夫です」

とぎこちなく微笑んだ。

無理をしているのは一目瞭然だった。

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