2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません
「それじゃあ斗真くん、瑞穂を頼んだよ」
「はい、お預かりします」
父にポンと背中を押され、斗真さんのあとをついて玄関を出た。
何が起きているのかわからず呆気にとられる私に、斗真さんは手を差し出す。
「瑞穂、段差があるからこっちから回ろう」
一瞬彼の周りに薔薇の花が舞って見えたのは完全に私の錯覚だろう。
わかってはいるけど、呼吸が止まりそうなくらいにキュンと胸が鳴る。
なにこのシチュエーション。まるで王子様だ。
斗真さんはあまり表情豊かなタイプではなく、いつも涼しい顔をしている。
だからアイドルのようにニコニコしている正統派の王子様とは違うけど、私にとってはこのクールさもたまらないのだ。
恥ずかしながらそっと大きな手を取ると、斗真さんはゆっくりと歩き出す。
その所作はとてもスマートで、女性のエスコートに慣れているように見える。
本当に私はこの人と結婚するんだろうか。
結婚相手となると、こんなふうに触れ合うことが普通になるのかな。
男性免疫のない私は、性能の悪いロボットのように動きがぎこちなくなっているに違いない。
初めて出会ったときから斗真さん一筋だった私は、誰ともお付き合いしたことがなかったのだから。
「はい、お預かりします」
父にポンと背中を押され、斗真さんのあとをついて玄関を出た。
何が起きているのかわからず呆気にとられる私に、斗真さんは手を差し出す。
「瑞穂、段差があるからこっちから回ろう」
一瞬彼の周りに薔薇の花が舞って見えたのは完全に私の錯覚だろう。
わかってはいるけど、呼吸が止まりそうなくらいにキュンと胸が鳴る。
なにこのシチュエーション。まるで王子様だ。
斗真さんはあまり表情豊かなタイプではなく、いつも涼しい顔をしている。
だからアイドルのようにニコニコしている正統派の王子様とは違うけど、私にとってはこのクールさもたまらないのだ。
恥ずかしながらそっと大きな手を取ると、斗真さんはゆっくりと歩き出す。
その所作はとてもスマートで、女性のエスコートに慣れているように見える。
本当に私はこの人と結婚するんだろうか。
結婚相手となると、こんなふうに触れ合うことが普通になるのかな。
男性免疫のない私は、性能の悪いロボットのように動きがぎこちなくなっているに違いない。
初めて出会ったときから斗真さん一筋だった私は、誰ともお付き合いしたことがなかったのだから。