2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません
着いたホテルは、ハワイの時ほどの広さはないものの、グレードの高い部屋なのが伺えた。

到着して少しすると、なぜかコーヒーと三段重ねのティースタンドが届いた。

下段にサンドイッチとスコーン、中段にケーキとマカロン、上段にはジュレやプリンなどがのせられている。

これ、アフタヌーンティーだよね?

「幸斗さんが頼んでくださったんですか?」

「いや、支配人が気を利かせたんだろう。夕食にはまだ早いしね」

ありがたいけど、全く食べられる気がしない。

そもそも昨夜のファミレスでのミルフィーユもほとんど食べていないし、帰宅後の検査薬の陽性に動揺して、今までずっと何も口にしていなかった。

しばらく沈黙していると、幸斗さんが首を傾げる。

「……もしかして瑞穂ちゃん、妊娠してる?」

「えっ!!」

言い当てられ、声が裏返った。

「どうして……」

「さっきから何度もお腹に手当ててるし、食欲もなさそうだから。あんまり顔色もよくないみたいだし」

お腹に手を当ててた……?

それは完全に無意識だった。

何があってもこの子を絶対に守らなきゃという気持ちがそうさせていたのかもしれない。

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