心に♪留まる
15頁 その頃
【選択肢···側にいる?側にいない?
動物病院では····
小豆は、
レントゲンを撮られたが
異常なかった。
彼女が振り回したバックが
頭に当たり脳震とうを起こしただけ。
一颯は、先生にお礼を言ってから
涼子に連絡する。
涼子は、小豆に何も無くて
ほっとしていた。
これで小豆に何か合ったら
また、この娘は、傷つく
流は、耳の上から頭の方へ
バックのカナグで切れていた為
縫う形になった。
深く切れてなかったから良かった。
CTも、MRも撮り
脳には、異常なかった。
保育園の川口にも連絡を入れる。
流の運転手の川中が
流を迎えに来たが川口から
状況を聞いて驚きバタバタして
池谷に連絡する。
池谷が、直に病院へと現れて
涼子は、わかる範囲で
事情を説明して謝罪をした。
池谷は、この人達が
悪くないことは、わかっているから
入院の手続きをして
流を特別室へと移動させた。
涼子が
「退院まで看ますから。」
と、伝えると
「お願い致します。」
と、池谷も返した。
池谷は、琉生に連絡して
報告する。
琉生は、その二人から
流を引き離そうかと思うが。
流からあの人達に近づいている。
今までにそんな事がなかったから
どうしたものかと
考えていたが、
少し様子を見ることにした。
流には、涼子がついた。
一颯は、小豆を連れて帰り
保育園にそのまま
小豆を抱いて行き
職員室に入ると
彩佳は、すぐに立ち上がり
うつむいた。
一颯は、何も言わずに
川口にだけ
「すみません。」
と、言って
小豆を預け
彩佳に
「送る。」
と、言った。
彩佳は、首を振るが
川口から
「送って貰いなさい。」
と、言われて
一颯について行くしかなかった。
車の中でも
何も語らない一颯に
酷く怒らせてしまった事は
わかるが
付き合っていたと言っても
本の数回しか会っていない彩佳が
一颯の考えている事が
わかる筈がなかった。
車が停車すると
自分のマンションの前だった。
無言の一颯に
「すみませんでした。
送って貰いありがとうございます。」
と、外に出て頭を下げるが
一颯は、何も言わずに
車を発進した。
彩佳は、車が見えなくてなっても
動けずにいた。
どうして······
あんな事を·····
どうして····
と、そればかり······
涙が止まらなかった。
一颯は、病室に行き
母・涼子と変わり
流のベッドの横に座る。
流の頭には白い包帯が巻かれていた。
流·····と。
すると、母・涼子から
「一度、戻るからね。」
と、言いながら肩を叩かれて
一颯は、頷いた。
涼子が出てから
一颯は、流の手を握り
「ごめんね。痛かっただろう。
小豆を護ってくれてありがとう。」
と、言うと手がぴくぴく
「流?! 流?!」
と、呼ぶと
少し瞼を開けて
また、閉じる。
何度か繰り返した後
流は、一颯を見た。
少し困った顔をしながら
一颯の頬をつたう、涙を拭く仕草をした。
一颯は、その手を取り
「ナースコールするね。」
と、言ってボタンを押す。
直に先生と、看護師が来て診察が
行われた。
疲れたのか
流は、そのまま目を閉じた。
一颯は、涼子が戻ると
入れ替わりに帰宅した。