心に♪留まる
8頁 雨の日に
【選択肢···助ける?助けない?】
仕事が終わり
保育園から自宅へ帰ろうと
ベンチに座る糸風さんが見えた。
どうして!!馬鹿な!
雨の中
駆け寄ると
冷たくてぐったりしている。
抱き上げて
自宅へ
「母さん!!母さん!!!!」
慌てて出てきた
母親の涼子は、驚きながらも
糸風さんの服を脱がせ
その間に
部屋を温めさせ
お湯を沸かしてと俺に指示をだし
髪を乾かして
湯たんぽで温めた
俺のベッドに毛布ごと
寝かせた。
とりあえず一度温める。
それから
近所の内科の先生に診察
してもらう。
持病とかわからないから
今の状況だけ。
先生からは、
「風邪 喉も赤いから長引くかも」と。
母さんから
「一颯、糸風さんを一度抱き上げて。」
言われて
シーツから着ているものと
毛布のすべてを変える。
さすがに要領がよい
それから
おかゆを作り
口にいれて
水分もいれて
薬を飲ます。
始めは、糸風さんが来て
喜んでいた小豆だが
ただ事ではないと
わかった?のか
糸風さんの眠るベッドの下にいる
まあ、俺のベッドだが。
何度か一連の動作を繰り返し
落ち着いて頃には
点滴も終わった。
まだ、赤い顔をして
苦しそうな
糸風さん。
彼女は、どうして
雨の中······
彼女のバッグもずぶ濡れで
母さんが全てをだして
拭いて乾かしてる。
携帯があり
着信から電話をした。
池谷さんと言う方出て
「直ぐに迎えに行きます。」
と、言ったが
母が
「今は、動かさない。」
と、言い
このまま家にいることに
俺もその方が良かった。
目に見えないと
心配だから。
母は、俺が働く
ひまわり保育園の園長で
経営者だ。
父も一緒に働いていたが
忙しさに、自分の体調が
悪い事を放置していて
五年前に亡くなった。
それからは、母と二人三脚で
やってきた。
そんな俺達は、
半日ずつ休んで糸風さんについた。
夜は、ベッド下に寝る
小豆と。
少しずつ食べれる様になり
水分も口から取れる様になり
目が開いてる事が多くなってきた。
目覚めた時は、
驚いて帰る仕草をしたが
母さんから叱られたようだ。
今は、大人しくしている。
母さんには、
前回の事故の話しをして
げんこつを貰った。
彼女について
その他は知らないが
「小豆が懐いている。」
と、言うと笑っていた。