ひといきついてティータイム
「こんなこと言うのは失礼かもしれないですが……」お兄さんはぽつりと零した。「店先にいらしたあなたを見たとき、なんだかお疲れなのかなって思いました」
「そうなんですか?」
「それで、うちのコーヒーを飲んで一息ついていただきたいなって」
ドアを開けて声をかけたのは、そういう理由なんだと、お兄さんは言う。遠目から見て分かるほど、暗い顔してたんだろうか……。
「おかげさまで元気になりました」
お兄さんを見習って渾身の笑顔をつくると、表情筋が不自然に引き攣った。そういえば、しばらく笑うってことをしていない。「なんか……肩に力を入れすぎてたみたいで」
「お役に立てて何よりです。……たまには、ゆっくり休憩してみてくださいね」
そっか……がんばらない時があってもいいんだ。自分の頭撫でて、背もたれに沈んで、頑張ったねって……。
「ちょっとくらい、自分を甘やかしても、いいのかな」
いろいろ認めて、許してしまったら、もう何にも悩まなくていいような気がした。
なんでこんなに気持ちいいんだろう。
どうしようもない腑抜けになったみたいだ。気分は最高。日常の、ほんの一瞬。呼吸を緩めたっていいよね。
「ええ。僕もそう思いますよ。よろしければ、ぜひまたここで」
「そうなんですか?」
「それで、うちのコーヒーを飲んで一息ついていただきたいなって」
ドアを開けて声をかけたのは、そういう理由なんだと、お兄さんは言う。遠目から見て分かるほど、暗い顔してたんだろうか……。
「おかげさまで元気になりました」
お兄さんを見習って渾身の笑顔をつくると、表情筋が不自然に引き攣った。そういえば、しばらく笑うってことをしていない。「なんか……肩に力を入れすぎてたみたいで」
「お役に立てて何よりです。……たまには、ゆっくり休憩してみてくださいね」
そっか……がんばらない時があってもいいんだ。自分の頭撫でて、背もたれに沈んで、頑張ったねって……。
「ちょっとくらい、自分を甘やかしても、いいのかな」
いろいろ認めて、許してしまったら、もう何にも悩まなくていいような気がした。
なんでこんなに気持ちいいんだろう。
どうしようもない腑抜けになったみたいだ。気分は最高。日常の、ほんの一瞬。呼吸を緩めたっていいよね。
「ええ。僕もそう思いますよ。よろしければ、ぜひまたここで」