Doll

フローラがそう言うと、テオは「もちろんです」と言いながらその場に跪き、フローラの手をそっと取る。

「私はあなたに仕える身ですから」

テオはフローラの手の甲にキスを落とす。刹那、二人の間にイバラが現れて二人を縛るかのように手首に巻き付いていった。



翌日、フローラはロリータ・ドレスに身を包み、テオと共に森の中を歩いていた。フローラが転ばないよう、テオが手を取ってくれている。

「あそこが私の家よ」

姿を見せた三階建ての家をフローラが指差し、テオが「承知しました、お嬢様」と言った刹那、バタンと音を立てて勢いよくドアが開く。そこには顔を真っ青にした両親やオーウェン、祖父母が立っていた。

「姉さん、その格好は！？」

「あなた、人形使いの主人になったの！？」

驚き、喚く家族たちをフローラは冷たい目で見つめていた。今までフローラのことを心配すらしなかったというのに、とんでもない皮肉である。

「テオ、お願い」

「かしこまりました、お嬢様」