Doll
「そんな顔をするなら、あなたもオーウェンみたいに友達を作ればいいじゃない」

その無責任な言葉に、フローラは「勝手なこと言わないでよ!!」と怒鳴りたくなるのをグッと堪えた。唇を先程より強く噛み締め、ただ耐える。

オーウェンは、昔から人と仲良くなるのが得意だった。だから友達も多く、毎日楽しそうに学校に通い、放課後は友達と遊んでいる。

オーウェンが友達が多く、クラスの人気者のため、両親や祖父母は「あなたも友達が作れるでしょ?いじめられるなんて嘘でしょ?」と言う。フローラがどれだけ訴えても無駄だった。

わかってくれない家族、いじめをするクラスメート、冷たい言葉、冷たい視線、心がギシギシと音を立てていく。

「オーウェンはあんなにも友達に囲まれて、毎日楽しそうよ?あなたもきっとできるわよ。いじめられてるってあなたは言ってるけど、本当はあなたと仲良くなりたくてちょっと揶揄っているだけじゃないの?」
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