私が恋をしたのは、冷酷な完璧イケメンでした。
「あのっ、」


私の声に反応して、その人がこちらを見る。


「く、クリスマスの日!!助けてくれましたよね!!?」


「…あぁ、あの時の」


あれ、なんか反応が…思っていたよりも薄い…?


「あ、あの時は本当にありがとうございました!」


反応がどうであっても、ちゃんとお礼は言わないとね、


「別にいいけど」


「私、羽月 紗蘭って言います!よろしくね」


私、今好きだった人と話してる……それに、まさかの同級生で隣の席って!!凄すぎるよね!


「…結城 律(ゆうき りつ)」


結城、律くん、!!名前までかっこいい!!本物の王子様みたい!


結城くんは私の方をチラッと横目で見ると、頬ずえをつきながら溜息をはいた。


「その顔うぜぇ」


…へ、?あれ、急に冷たく…なった…


いや、待ってなんか嫌な予感がする……


「俺、馴れ馴れしいの無理だから。」
< 8 / 21 >

この作品をシェア

pagetop