推し? 好き? 最後はリアコ? ー揺れる心を抱き締めてー
どうにか応えたくて,私も赤い頬を持ち上げる。

その間も涙は止まらなくて,見かねた朔が私をひょいっと抱えた。

グラリと身体の揺れた私は,泣いている場合ではなくて。

目を見開いて朔の肩に手を置く。



「お,下ろしてよ。恥ずかしい……もう18なのに……」



みっともなく泣いてるだけでも恥ずかしいのに。

目の前にいるのは大好きな皆。

朔が19
らぅねこが23
まろんくんが25
りきとくんが29

皆立派な,やっぱり私とは違う大人。

すとんと丁寧に下ろされる。

必然的に私が皆の前に出る形になって,私は朔の後ろにぴゅっと隠れた。



「仲いいんだねぇ。あ,美海ちゃんも一緒に遊ぶ事になったんだけど,いいよね?」



え,それ。

もう決まったことなの?!

私は驚いて,前に出るように声をあげた。



「あの! ……それ,なんですけど」



朔の背中で胸が潰れて,突然体当たりを食らった朔が「ぐえっ」と漏らす。

ごめんね,でもそれどころじゃなくて……

けれど,言葉を続けようとした私を制するように,朔は右手を横に伸ばした。


「美海,近い……離れて」

「朔?」



どうしたの?

< 11 / 27 >

この作品をシェア

pagetop