推し? 好き? 最後はリアコ? ー揺れる心を抱き締めてー
「美海,学校は?」

「あ」



そうだ,今日,平日……

じゃあ,朔も別に会わせるつもりは無かったんだ。

怒るのも違うかと,私はしゅんと反省した。



「その……体調悪くて。休んでたの」

「えっ大丈夫?」

「うん,もう全然」



心配そうに,長身の体を折って朔は聞いてきて。

カッコいい顔が同じ目線にあるのがおかしくて,私は笑った。

その間も,2人はじっと私達を見ている。



「朔,じゃ。私はそろそろ」

「何で? 美海好きじゃ無かったっけ。電話でさんざん……」

「ちょっ勝手に色々言わないで! そうだよ,大好きだよ! だからだめじゃん!!!」



だからこそ,だめなの。

私の勢いに押されつつも,朔はヘラりと笑った。



「まぁ,気持ちは分かるけど。いいじゃん。せっかくこんな遠くまで来たのに。逢えたらなとは思ったけど,呼び出すつもりまでは無かったし。美海の運だよ」
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