推し? 好き? 最後はリアコ? ー揺れる心を抱き締めてー
「ぁ,ぅ……い,いえ。大好きです。でも……こんなのずる…ううん,いいんですか?」



放送でも,身ばれ気にしてたのに。

例えば。



「例えば,まろんくん。たまたま行ったキャバクラにファンがいたら……もう行かないですよね……?」



気にするってことは,そう言うこと。

なのに,私に会ってしまっていいの?



「うっ。ま,まぁ。でも,友達の幼馴染みに会うだけなら……せ,セーフ? ど,どーしよーねここくん……」

「あっいえ! ごめんなさい困らせるつもりは……」





か,会話! している!

奇跡みたいな出来事に,頭より心の方がちゃんと仕事してどきどきと鳴る。

何だかんだここにいる,私がいけないのでは?!

結論,結局はそこだ。

今からでも,朔を無視してでも。



「君は俺達と逢えて,嬉しくない?」

「そんな! すごく,すごく嬉しい……です」



この距離で見て,話すなんて。

普通,一生かかったって無理だもの。

嬉しいに決まってる。

とても,申し訳ないだけで。

もう,十分過ぎる。

< 7 / 27 >

この作品をシェア

pagetop