推し? 好き? 最後はリアコ? ー揺れる心を抱き締めてー
「じゃあいいの。俺は君に逢えて嬉しい」



はにかんだ顔が,見惚れるほどかっこ可愛い。

ずるい。

嬉しい。



「じゃあ……楽しんで。朔」

「ん?」

「ありがと。怒ってごめんね」

「え?」



自然と眉が下がって,私は微笑んだ。

とっくに数分経っている。



「ま,待ってよ」

「せっかくだし,一緒に遊ぼ。名前,聞いてもいい?」



名前なんてさっきから飛び交ってるのに。

わざわざ聞いてくれるの?

朔の幼馴染みで,なにもしてないのに既に存在感の強い私。

わざわざ名乗ったら……それはもう,認知が確定するのでは……?

あ,遊ぶってなに?



「あっと,私,は」



何て,言うべきなの?
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