死神キューピッド
エピローグ
「急に引っ越すっていうから、どうしたのかと思えば」


「けど、いいところだろ?」


「うん、綺麗な場所だね……」


窓のそとには一面の菜の花が揺れている。


澄んだ青空は、はるか遠くまで広がっている。


「ねぇ、虹太。お腹すかない?」


「いいよ、俺が作る。柚は、なに、食いたい?」


「んー、味噌ラーメン! 糖質ゼロ麺、もやしたっぷり!」


「よし、任された」


腕まくりをした虹太が、優しく笑う。


ふわりと空気が甘くなる。


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