死神キューピッド
それとも大学で仲良くしてたモデルやってる子かな。


人たらしの虹太の周りにはいつもたくさんの人がいて、みんな虹太の明るさと温かさに癒されていた。


だから、いつか……、こんな日が来ることくらい、分かってた。


それでも、虹太と長い時間一緒にいるうちに、夢みちゃったんだ。


虹太とずっと一緒にいられるかもって。


はあー。


もう、ティッシュないや。


でも、ストッカーに取りにいくのも面倒。



失恋って、こんなに強烈な痛みのともなう残酷なものだとは知らなかった。


全身に砕け散ったガラスが突き刺さって、見えない血液がドクドク流れ続けてる感じ。


おにぎり食べてても、麦茶を飲んでても、こたつで丸まってても、どこかに刺さったガラスがいつもどこかでズキズキと痛んでたまらない。


そっか、キツイな、失恋って。


うん、失恋しちゃったんだ、私。


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