死神キューピッド
でも、私がどれだけ足掻き苦しんでいようが、むせび泣いていようが、いつも通りの世界がそこにあるって、ちょっとした安心感。


うん、世の中、通常運転中でなにより。


さすがに胃が疲れて、ついでにお財布の残りも心もとなくて、今日はお茶とうめぼしのおにぎりをカゴにいれる。


また買い物に出るのが面倒だから、2リットルの麦茶と食パンも。


それから、なんとなく歯磨き粉とアイス。


結構、買っちゃった……。


いつもなら笑顔で挨拶を交わす顔なじみのカワイイ店員さんは、泣きはらした私の顔に恐れおののいたのか、私のことを完全スルー。


不愛想ないかつい男の店員さんは、下を向いてありがとうございましたーと私に言いながら、次のお客のレジ打ちに忙しそうにしている。


うん、いいな。この感じ。


< 31 / 117 >

この作品をシェア

pagetop