死神キューピッド
だれにも興味を持たれないって、すごく楽。


単なるコンビニの客でしかないことに、癒される。


なんか終わってるけど。


それすら心地いいって言うのは、つまり、気づいたんだ。


私を傷つけることが出来るのは、この世の中で虹太だけなんだってことに。


私のすべてを受け入れてくれた虹太に拒否される以上の拒絶なんて、この世には存在しない。


だから、今の私にできることは……、せめて、こたつの中で丸くなろう。


だって、虹太が買ってくれたこたつのなかで丸くなるってことはさ、虹太に温められてるって思ってもいいんじゃない?


たとえ虹太が、今、ほかの女の子を温めていたとしても、それならそれでいい。


私のなかにプライドなんて、もう一滴も残ってないんだから、好きにさせて。


ほっといて。


こたつ以外の誰も、私を温めてはくれないんだから。


私は、虹太の買ってくれたこたつの中で丸くなる。


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