死神キューピッド
玄関から、外気がゆっくりと部屋に流れこんで、感傷的なまどろみはあっさりと吹き飛んだ。


…………うそ。


私、鍵、かけ忘れてた……?


いきなり平手で頬っぺたをたたかれたような現実。


押し入り、強盗、強姦、殺人。


とっさに頭に浮かぶのは、そんな現実。


……いやだ。


怖くて、振り返れない。


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