死神キューピッド
それでも虹太に触れたくて、羞恥心と熱情の狭間で右往左往していると、虹太がなんとも言えない笑顔を見せる。
「なに?」
「いや、分かってはいたんだけどさ、柚って、ホント俺のこと大好きだよな」
「は?」
……今更、それ?
「神経質すぎるほどのキレイ好きなのに、ここまで散らかし放題にしてさ。こんなにひどくて愛おしい部屋、見たことない」
《それなら、置いていかないで》
《ひとりにしないで》
《どうして、いきなりいなくなったの?》
喉元まで、出かかった言葉たち。
でもそれは、口にしなかった。
知らなくていいことは、きっとある。
そういうのを知って、傷つくのは私だから。
もうこれ以上の痛みは受け止められない。
「なに?」
「いや、分かってはいたんだけどさ、柚って、ホント俺のこと大好きだよな」
「は?」
……今更、それ?
「神経質すぎるほどのキレイ好きなのに、ここまで散らかし放題にしてさ。こんなにひどくて愛おしい部屋、見たことない」
《それなら、置いていかないで》
《ひとりにしないで》
《どうして、いきなりいなくなったの?》
喉元まで、出かかった言葉たち。
でもそれは、口にしなかった。
知らなくていいことは、きっとある。
そういうのを知って、傷つくのは私だから。
もうこれ以上の痛みは受け止められない。