死神キューピッド
交差する想い
それでも思っていた以上に虹太不在のトラウマは深刻で、何度も飛び起きては、虹太がそこにいることを確認して、遅い朝を迎えた。
お昼ごろになってやっと目を覚ました虹太と、小さなテーブルで向かい合ってごはんを食べる。
こんな、たわいもない時間がどれだけ大切だったか、虹太の不在で思い知らされた。
食事を終えると、虹太が洗面所に向かい、パシャパシャと顔を洗いはじめる。
「バイト?」
「ん、金ないし」
クローゼットを開けてTシャツを引っ張り出している虹太の背中に、なるべく重くならないように声をかける。
「なにそれ。私が働くからいいよ? 虹太のバイト代なんて期待してないよ」
「まあ、そういうわけにはいかないだろ。ちゃんと帰ってくるから」
虹太が乾いた笑顔を張りつける。
お願いだから、そんな顔して笑わないで。
虹太を困らせたいわけじゃない。
わがまま言いたいわけでもない。
でも、もう二度と虹太を失いたくないんだよ。
お昼ごろになってやっと目を覚ました虹太と、小さなテーブルで向かい合ってごはんを食べる。
こんな、たわいもない時間がどれだけ大切だったか、虹太の不在で思い知らされた。
食事を終えると、虹太が洗面所に向かい、パシャパシャと顔を洗いはじめる。
「バイト?」
「ん、金ないし」
クローゼットを開けてTシャツを引っ張り出している虹太の背中に、なるべく重くならないように声をかける。
「なにそれ。私が働くからいいよ? 虹太のバイト代なんて期待してないよ」
「まあ、そういうわけにはいかないだろ。ちゃんと帰ってくるから」
虹太が乾いた笑顔を張りつける。
お願いだから、そんな顔して笑わないで。
虹太を困らせたいわけじゃない。
わがまま言いたいわけでもない。
でも、もう二度と虹太を失いたくないんだよ。