死神キューピッド
だから、お願いだから私を置いて行かないで。


「それが、できないから……」


「ただ、ここにいてくれるだけでいいからっ!」


「いい加減にしろよっ。お前、そんなに聞き分けの悪いバカな女じゃなかっただろ?」


「バカは……虹太でしょう?」


「お前だよ」


冷たい虹太の声に、心がしんと静まり返る。


もう、これ以上、突き放さないで。


私をこの世界で孤立させないで。


そうしないと、押さえていられなくなる。


私に、それを言わせないで。



「柚、しゃんとしろよ。もし、俺がいなくなったとしても、バカなことは考えないで、それで、……ちゃんと幸せになれ」


頭上に落ちる虹太の声。


心を引き裂く、その言葉。


強く唇を噛んで、その痛みに、耐える。


「……それは、虹太以外のひとと?」


ゆっくりと顔をあげて虹太を見据える。


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