死神キューピッド
それから、夜がきて、全く眠れないまま朝が来て。 ひとり静かな朝ごはん。


……ひとりって、こんなに静かだったっけ。


ずっと、ひとりぼっちだったのに。


虹太と一緒にいられたのなんて、きっと半日くらいだったのに。


ひとりになって、ちょっとだけふたりになって、またひとりきり。


虹太が消えて、どのくらいたったんだろう……


もう時間の感覚すらないや。


ゆっくりと立ち上がり、朝ごはんをふたつ、用意する。


「食べてよ、バカ」


涙をこぼしながらパクパク頬張る。


私を置いて、勝手に死んで。


死ぬまで許さない。


死んだらもっと、許さない!


死んだら地獄だろうが天国だろうが、絶対に虹太のことを見つけ出してやるんだから。


それで、虹太を見つけたら、思いっきり頬っぺたをひっぱたいてやる。


絶対に許さないんだからっ。


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