死神キューピッド
もじもじと、なにやら言葉をさがしている様子の母親に、先手を打つ。


「えっと、なんか期待させてたら悪いんで、先に言っときますけど。俺、コンビニと居酒屋でバイトしてなんとか食いつないでるフリーターで。金ないっすよ?」


「あ、あの、私は、高校中退して、弁当屋でパート、してます。あの、やっぱり、それじゃ、ダメですか?」


「いや、だめとか、そんなこと関係ないけど」


って、何の話だ?


「関係、ないんです。私もっ!」


「……は?」


「ぱぱっ! ぱーぱっ!」


強く腕を引くのは、今度こそハルキだ。


「ハルキ、どうした?」 


体をちぢめて、ハルキに目線をあわせる。


小さな手のひらで頬をぺちぺちと叩かれて、ハルキをまっすぐに見る。


「ママが、パパ、ちゅきって」  


……ちゅき?


「ハルキっ?」


「え?」


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