余命365日の私に口紅を
☾もうすぐで…
屋上からの景色はこれが最後だ。きっともう見ることも無くなるだろう。これからはきっと楽しいことが待っているはずだ。生まれ変わったらもう一度この景色を見に来よう。私のお気に入り…結局皆が当たり前にすることは何ひとつできなかったな…次はきっとできるよね。だから大丈夫。もう思い残すことは…
足を一歩前に出そうとすると少し震えるがもう関係ない。ここで終わりにしよう。一歩進もうとしたその瞬間、ものすごい勢いで腕が引っ張られる
「何してんだよ!!!」
「何よ、ただここの景色を目に焼き付けてただけ。離して。」
私の自殺はこいつのせいで失敗に終わった。
「いや、どう見ても落ちようとしてただろ。馬鹿な事考えてんじゃねえよ。お前名前は?俺は陽向。なんかあったら話ぐらい聞くからさ。」
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