余命365日の私に口紅を
その時、ズキン!と心臓が痛くなる。頭がクラクラする。
「ハァハァ…ハァハァハァハァ」
霞む視界の中で彫刻が掘られてある小さな箱を手に取り胸元でギュッと握り締める。開けて中を取り出し唇に近ずける。
(大丈夫、大丈夫。私にはお母さんの口紅がある。大丈夫…だい、じょうぶ。)
呼吸が整いはじめると視界も戻ってきた。机にぶつかった拍子にコップを割ってしまった。父が帰ってくるまでに片付けなくちゃ。
するとドアが重い音を立てて開いた。
「ただいま。おい、なんだ?これは。」
「ごめんなさい。机にぶつかってしまって、その時に…」
「どうでもいいけど早く片付けろ。折角酒でいい気分になったのに。やっぱりお前は疫病神だな。」
「ごめんなさい。」
「ハァハァ…ハァハァハァハァ」
霞む視界の中で彫刻が掘られてある小さな箱を手に取り胸元でギュッと握り締める。開けて中を取り出し唇に近ずける。
(大丈夫、大丈夫。私にはお母さんの口紅がある。大丈夫…だい、じょうぶ。)
呼吸が整いはじめると視界も戻ってきた。机にぶつかった拍子にコップを割ってしまった。父が帰ってくるまでに片付けなくちゃ。
するとドアが重い音を立てて開いた。
「ただいま。おい、なんだ?これは。」
「ごめんなさい。机にぶつかってしまって、その時に…」
「どうでもいいけど早く片付けろ。折角酒でいい気分になったのに。やっぱりお前は疫病神だな。」
「ごめんなさい。」