絶叫、そして契り/『ヒート・フルーツ』第1部終盤エピソード特別編集版❣
その2
麻衣
私が昨日の一件の経緯を説明してる間も、赤い狂犬は吠えまくっていたわ
でも私は、リスペクトを込めて、何も言わず淡々と説明した
それは、野党の猛烈なヤジに発言を遮られながら、答弁を全うする閣僚のようだったわ
まあ、この私を閣僚ってのは、噴飯ものの例えだが(苦笑)
...
「…という訳で、私が突きつけたドスを手にして向かってくる女、募集中って訳なんです。本夕刻7時半をもって締め切りで…」
「だからー!私がそのドスでお前をメッタ指しだって!他はいらねーだろうが!本郷、私と勝負しろ!逃げんなって!!」
「もとより、逃げる気はありません。でも、今夜は総長にはご遠慮願いたいんですね、私としては。あなたがいない、矢吹補佐が行けない、これまでの頼みの綱OB・OG連もいない…。その状況下で、都県境最大の女性勢力である南玉連合が、たかだかこの春新入のハナタレ1年娘に、どう挑んでくるのか…。それを、私らの下の世代、つまり都県境の女子中学生、そして県外の猛る女たちにありのままを見てもらうって趣向なんです。総長には私、別途決着戦挑ませていただきますんで。ご安心を…」
「なんだとー!!」
「で…、ですね…、今、この界隈で流布されてるウワサをまずはお耳に入れましょう」
私は久美に目を向けた
...
「久美…!合田総長にお教えしろ!」
私のその声は、我ながら狂犬に負けないくらいのド迫力だったと思う
「…あのう、ら…、拉致されたって…」
「テメー!蚊の鳴くような声で謳ってんじゃねえって!それで、それから、どうなったって?静美!総長に元気よくお答えしろ!」
「…」
「静美ー!どした!お教えして差し上げろって!」
「…あの、ええと…」
バシーン!
私はモロ、張り手をかました…
...
「…」
「静美、シャキッとしろって!合田総長は湘南から南玉に戻る前、何者かに拉致された。それで、巷は何とウワサしてるんだ!」
「…合田総長は…、ほ、ほ、骨を…」
バシーン!
今度はこぶしでぶん殴ってやったわ
「テメー!総長前にして見苦しいマネさらすな!はっきり申し上げろって!」
「はい!合田総長は足の骨を折られたという噂になってます!すいません、総長…。うっ…、うっ…」
静美は言い終わる前に、膝を落とし、泣き崩れた…
...
「静美さんー!」
何人かがその静美に駆け寄ってるわ
「総長…、そういうことになってるそうです…」
「貴様…!!自分を慕う仲間になんて残酷なことを…。許せんー!!」
「先輩らしくないっすよ、そんなセンチな言葉。…改めて申し上げます。私は荒子総長のお考えを信奉しています。よって、半端なマネでは礼儀を欠くと判断してますんで…。徹底的にやらさせてもらいます」
「うぐっ、うぐっ…!!」
狂犬はもの凄い形相で歯ぎしりしながら私を睨みつけてるが、私に変更はないさ…
「おい…、金属バット持ってこい!」
一同、シーンだ…
当然だわな
...
「テメーら、ボケッとすんなー!早くもって来いって!」
「麻衣…、何をするのよ…!!」
久美のヤツ、恐る恐る私に尋ねてきたわ
「せっかくのウワサだ。ホントの話にして差し上げるんだ」
「やめて!!麻衣…、やめて、そんなこと…」
全く、久美のリアクションはわかりやすすぎるって(苦笑)
では、久美…
みんなにやらせかと勘繰られるだろうからさ、この後はリアルに頼むぞ…(笑)
麻衣
私が昨日の一件の経緯を説明してる間も、赤い狂犬は吠えまくっていたわ
でも私は、リスペクトを込めて、何も言わず淡々と説明した
それは、野党の猛烈なヤジに発言を遮られながら、答弁を全うする閣僚のようだったわ
まあ、この私を閣僚ってのは、噴飯ものの例えだが(苦笑)
...
「…という訳で、私が突きつけたドスを手にして向かってくる女、募集中って訳なんです。本夕刻7時半をもって締め切りで…」
「だからー!私がそのドスでお前をメッタ指しだって!他はいらねーだろうが!本郷、私と勝負しろ!逃げんなって!!」
「もとより、逃げる気はありません。でも、今夜は総長にはご遠慮願いたいんですね、私としては。あなたがいない、矢吹補佐が行けない、これまでの頼みの綱OB・OG連もいない…。その状況下で、都県境最大の女性勢力である南玉連合が、たかだかこの春新入のハナタレ1年娘に、どう挑んでくるのか…。それを、私らの下の世代、つまり都県境の女子中学生、そして県外の猛る女たちにありのままを見てもらうって趣向なんです。総長には私、別途決着戦挑ませていただきますんで。ご安心を…」
「なんだとー!!」
「で…、ですね…、今、この界隈で流布されてるウワサをまずはお耳に入れましょう」
私は久美に目を向けた
...
「久美…!合田総長にお教えしろ!」
私のその声は、我ながら狂犬に負けないくらいのド迫力だったと思う
「…あのう、ら…、拉致されたって…」
「テメー!蚊の鳴くような声で謳ってんじゃねえって!それで、それから、どうなったって?静美!総長に元気よくお答えしろ!」
「…」
「静美ー!どした!お教えして差し上げろって!」
「…あの、ええと…」
バシーン!
私はモロ、張り手をかました…
...
「…」
「静美、シャキッとしろって!合田総長は湘南から南玉に戻る前、何者かに拉致された。それで、巷は何とウワサしてるんだ!」
「…合田総長は…、ほ、ほ、骨を…」
バシーン!
今度はこぶしでぶん殴ってやったわ
「テメー!総長前にして見苦しいマネさらすな!はっきり申し上げろって!」
「はい!合田総長は足の骨を折られたという噂になってます!すいません、総長…。うっ…、うっ…」
静美は言い終わる前に、膝を落とし、泣き崩れた…
...
「静美さんー!」
何人かがその静美に駆け寄ってるわ
「総長…、そういうことになってるそうです…」
「貴様…!!自分を慕う仲間になんて残酷なことを…。許せんー!!」
「先輩らしくないっすよ、そんなセンチな言葉。…改めて申し上げます。私は荒子総長のお考えを信奉しています。よって、半端なマネでは礼儀を欠くと判断してますんで…。徹底的にやらさせてもらいます」
「うぐっ、うぐっ…!!」
狂犬はもの凄い形相で歯ぎしりしながら私を睨みつけてるが、私に変更はないさ…
「おい…、金属バット持ってこい!」
一同、シーンだ…
当然だわな
...
「テメーら、ボケッとすんなー!早くもって来いって!」
「麻衣…、何をするのよ…!!」
久美のヤツ、恐る恐る私に尋ねてきたわ
「せっかくのウワサだ。ホントの話にして差し上げるんだ」
「やめて!!麻衣…、やめて、そんなこと…」
全く、久美のリアクションはわかりやすすぎるって(苦笑)
では、久美…
みんなにやらせかと勘繰られるだろうからさ、この後はリアルに頼むぞ…(笑)