初恋と約束が叶う未来まで

  夏休みも終わり二学期が始まっていた。

 今日から2泊3日の修学旅行。
 空港に着くと小樽に移動するバスに班ごとに乗り込んだ。
 一番後ろの席に央ちゃん、私、紬來ちゃん、恭平くん。
 そして同じ班になった委員長の蘇芳 煒月(すおう いづき)くんと蓮見 紫乃(はすみ しの)ちゃん、鈴木 柚葉(すずき ゆずは)ちゃんと並んでいる。

  3時間ほどでつく予定なんだけど…朝早かったから今凄く眠い。

 「夕栖、眠いんだろ?着いたら起こすから寝ろよ」

 「央ちゃん…ありがとう」

  少し体が冷えて来て寒いな…。ひざ掛け、洋服と一緒にバッグの中に入れちゃったんだよな…。

 「寒いのか?カーディガン貸す」

 「えっ?央ちゃん寒いでしょ?」

  央ちゃんはブレーザーの下のカーディガンを脱ぐと私の膝にかけてくれた。

 「昔から寒がりだろ…肩も貸す…」

  央ちゃんから昔のことを聞ける日が来るなんて…あんまりないからビックリした。
  それに照れくさそう。

 「央ちゃん、本当にありがとう!」

  私は、央ちゃんに寄りかかるように目を閉じた。
 
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