初恋と約束が叶う未来まで

 「橘くんは、國立さんにだけ優しいよね。」
 
  央ちゃんのカーディガンに残った体温にドキドキして眠れません…!
  なので、鈴木さんが央ちゃんに言った一言もちゃんと耳に届いている…。

 「夕栖は特別だから…当たり前」

 ……特別…どういう意味なんだろ…?

 「特別?幼馴染だからってこと?」

  不思議に思ったのか蘇芳くんも会話に入って来た。

 「幼なじみだから特別って訳じゃない。夕栖だから特別。」

  初めて聞いた、央ちゃんの気持ち。嬉しくて胸がいっぱいで今は…この言葉だけで十分。

  胸が満たされて、ようやく眠れた。

 「…ゆず…夕栖っ!起きろ!」

  央ちゃんが私の鼻を摘んで起こしてきた。昔から何故かこの起こされ方。

  もう少し優しく起こして欲しい……。

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