初恋と約束が叶う未来まで

 「夕栖、ご飯食べよ!」

 「紬來ちゃん、少し待って」

 お昼ご飯に誘ってくれたのは、笑顔が可愛くて、明るい南雲 紬來(なぐも つむぎ)ちゃん。
 普段は、明るくて優しい可愛い子だけど、怒ると凄く怖い……。

 席替えで前後になって話しているうちに仲良くなった。地味で、取り柄もない暗い私と仲良くしてくれるのは紬來ちゃんだけ…。

 「お待たせ!いつもの所?」

 「二人とも先に行ってるって!」

 「そうなんだね…急がないとだね!」

 私達は、急いで階段を上りきり扉を開ける。
 春の暖かい日差しと少し冷たい風が混ざって吹いた。

 「遅いぞ…先にご飯食べてた。」

 「ごめんね…片付けに手間取っちゃって…」

  幼稚園からの幼なじみの橘 央輔(たちばな おうすけ)こと、央ちゃんが小説片手にご飯を食べている。

 「仕方ないよ…2年生になってやること増えたしな…」

  フォローを入れてくれた、この笑顔が眩しい男の子は南雲 恭平(なぐも きょうへい)くん。
央ちゃんと恭平くんは1年生の時同じクラスで話してるうちに仲良くなったらしい。
  そして、紬來ちゃんの双子のお兄ちゃん。兄妹揃うと美男美女。
央ちゃんも負けず劣らずのイケメン…。

 こんな地味な私が、3人の隣に立つのも仲良くしてもらってるのも烏滸がましいくらい…。

 「取り敢えず、ご飯食べたら?」

 央ちゃんが本を閉じ、隣に置いていた荷物を反対側に移動して場所を空けてくれた。

 昔からクールなとこもあるけど優しくて面倒見が良い。行動の遅い私は、いつも面倒見てもらっていた。

  高校生になった今でもお世話になってます…!

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