初恋と約束が叶う未来まで
教室の扉を開けると何人かの女子が、央ちゃんと恭平くんに熱視線…。
央ちゃんも恭平くんもカッコイイと入学式から女の子達の間で人気。
中学の頃もそうだった。央ちゃんカッコイイから凄く気持ちは分かる!
分かるけど複雑なのが乙女心…。
でも、見ないで!とは言えないし…行き場ない、どうしようもない気持ちをしまい込む。
そんな女子の視線に気づいていないのか、さっさと自分の席に座り本鈴が鳴るまで読書を始める絢ちゃん。
本を持つ長い指…本当に綺麗で、読書してるだけなのにカッコいいなんて……
「また、橘くん見てるの?」
「…えっ、み、見てないよ!」
「夕栖は分かりやすいな〜」
私の気持ちに気づいてるのか、たまに紬來ちゃんがからかってくる…。
紬來ちゃんにもちゃんと言えずにいる。
小さい頃からずっと央ちゃんだけだよ!って言えたら、どんなに良いか…。