初恋と約束が叶う未来まで

  央ちゃんが投げたボールが吸い込まれるようにゴールに入っていく。
 
 「きゃーーーっ!カッコイイ〜!」

  …知ってるもん…。央ちゃんは小さい頃からカッコイイよ!

 「…央輔は世界一カッコイイんだよ…」

  思わず出た言葉口を押さえた。央輔って、カッコイイって言ってしまった。

 「カッコイイもんね〜。ヤキモチ妬くと夕栖、素が出るよね〜」

  紬來ちゃんが、ニヤけながらも私の気持ちを思いやってくれる…本当に優しい子。

  央ちゃんに視線を戻すとこっちを見ていた。グーを握ってこっちへ腕を伸ばした。わたしも応えるようにグーを央ちゃんに向ける。
 
 モヤモヤしていたのに…央ちゃんのおかげで霧が少し晴れたのが分かった。

 「莉栖、見とけよ!次も勝つからな!」

 「うん!」

  宣言通り、央ちゃん達は次の試合も勝ち優勝した。有言実行の央ちゃんは、口にして出来なかった事はない。

< 6 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop