初恋と約束が叶う未来まで
央ちゃんが投げたボールが吸い込まれるようにゴールに入っていく。
「きゃーーーっ!カッコイイ〜!」
…知ってるもん…。央ちゃんは小さい頃からカッコイイよ!
「…央輔は世界一カッコイイんだよ…」
思わず出た言葉口を押さえた。央輔って、カッコイイって言ってしまった。
「カッコイイもんね〜。ヤキモチ妬くと夕栖、素が出るよね〜」
紬來ちゃんが、ニヤけながらも私の気持ちを思いやってくれる…本当に優しい子。
央ちゃんに視線を戻すとこっちを見ていた。グーを握ってこっちへ腕を伸ばした。わたしも応えるようにグーを央ちゃんに向ける。
モヤモヤしていたのに…央ちゃんのおかげで霧が少し晴れたのが分かった。
「莉栖、見とけよ!次も勝つからな!」
「うん!」
宣言通り、央ちゃん達は次の試合も勝ち優勝した。有言実行の央ちゃんは、口にして出来なかった事はない。