吃音少女は恋をする
なんとか完成した文は他のペアよりも相当短いと思う。
だけど、きっと私は最後まで言い切るのに時間がかかるんだ。
せめて練習してどうにかしたい。
……どうにもならないことくらい分かってるんだけどさ。もう仕方ないんだって。
こうでもしないと心が落ち着かないの。
……なんて嘘。吃音だって知ってから心が落ち着いたことなんて一度もないから。
「わ、わ、わた、私……」
自分の声が耳障り。
「……っわた、しは」
翠くんが無言で通り過ぎていく。
「すっ」
何やってるんだろ。
「すい……」
馬鹿馬鹿しい……。
「す、い……」
馬鹿馬鹿しい……?
「翠、く、ん」
馬鹿じゃ、ない。
……はず。
だけど、きっと私は最後まで言い切るのに時間がかかるんだ。
せめて練習してどうにかしたい。
……どうにもならないことくらい分かってるんだけどさ。もう仕方ないんだって。
こうでもしないと心が落ち着かないの。
……なんて嘘。吃音だって知ってから心が落ち着いたことなんて一度もないから。
「わ、わ、わた、私……」
自分の声が耳障り。
「……っわた、しは」
翠くんが無言で通り過ぎていく。
「すっ」
何やってるんだろ。
「すい……」
馬鹿馬鹿しい……。
「す、い……」
馬鹿馬鹿しい……?
「翠、く、ん」
馬鹿じゃ、ない。
……はず。