吃音少女は恋をする
なんだけど……。

神、味方につかず。

私は神様に振られてしまいました。

あの後沙和ちゃんたちと別れて私は部屋に入り、パートナーと顔合わせをしたんですが。

彼の第一印象は、かっこよくない?

髪はちょっと色素薄めで目は茶色。綺麗で澄んでてかっこよ! って感じ。

スタイルいいし、こりゃイケメンだわ!

私、運ついてるんじゃない?

とまあ、少々興奮気味だったのです。

「俺は永本翠。お前がペア?」

できるだけ喋りたくないから頷くだけ。

「名前は?」

そうだよね、名前言わないとだよね……。

「すな……」

言えた!

「すな、すな……、すなは、は、はら、ちちちち、ちか、か、か、か……げ、でです」

ダメだわ、やっぱ全然言えてない。

「お前、噛みすぎ。緊張するにも程があるでしょ」

緊張……か。これが緊張だったらどれほどいいか。

「ごご、ごめ」

「俺がそんなに怖そうに見えるの?」

「ちちちち、ちち、ち、ち……ちが、っ」

言えない、言えない……どうして。

「……マジかよ、俺お前無理かも」
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