吃音少女は恋をする
――……
私は吃音だけど、中学の時に彼氏がいた。
けど、好かれた理由は見た目だけで、まったく喋ったことがない状態からのスタートだったから、私が吃音だと知ると即振られた。
それも何人か。
中には吃音を呑み込もうとしてくれた人もいたけれど、結局はダメだった。
「会話のテンポが合わないからムリ」
大抵そんな理由で。
だけどやっぱり恋はしたくなる。
吃音だからって恋がないのは悲しい。
だから一か八か、七海学園高校に入学したんだけど……やっぱりダメか。
なんか私、なんにも勉強してないよね。
過去と同じ過ちを起こさないように気をつけないとなのに、また同じ道を踏み外そうとしてる。
なんで、吃音なんだろ……。
なんで……っ。
視界がボヤけて、ポトっと涙が零れ落ちた。
その日はご飯を食べたいと思えなかったし、作る気も出なかったからそのまま寝ただけだった。