ソルティキャップ
事故から3日が経ち、俺の意識もはっきりとしてきたところで、俺と母さんは医者からの説明を受けた。
「右腕はかなり複雑に骨折をしています。靭帯の損傷もかなりひどい状態です。」
レントゲン写真を見せられたけど、俺にはよく分からなかった。
「この子の腕は…どうなってしまうのでしょうか…」
母さんは俺が怪我してからというもの、俺の右腕のことをずっと気にかけている。
「短くて5カ月、長くて8カ月で完治、といったところでしょう。」
この答えだけじゃ安心のいかない母さんは、
「この子の腕は、ちゃんと動くようになるんですか?」
と重ねて質問した。
「リハビリを繰り返せば、少しずつ日常生活は送れるようになるかと。」
医者がそう答えても、まだ満足のいかない母さんは更に質問を重ねた。
「野球は?また野球は出来るようになるんですか?」
『野球がまた出来るのか』これが俺と母さんにとって、一番気になることである。
右腕の怪我一つで選手生命を絶たれてしまう選手も少なくはない。
俺は元々、過去の怪我で右手首が弱かったから、余計に不安なところである。
「はっきり申し上げますと、」
医者は言葉を選びつつ話しているように見えた。
「長期間リハビリをしても、野球が出来るようにならない可能性もあります。」
その言葉は、俺に待ち受ける運命をごまかされているようで、もどかしかった。
「右腕はかなり複雑に骨折をしています。靭帯の損傷もかなりひどい状態です。」
レントゲン写真を見せられたけど、俺にはよく分からなかった。
「この子の腕は…どうなってしまうのでしょうか…」
母さんは俺が怪我してからというもの、俺の右腕のことをずっと気にかけている。
「短くて5カ月、長くて8カ月で完治、といったところでしょう。」
この答えだけじゃ安心のいかない母さんは、
「この子の腕は、ちゃんと動くようになるんですか?」
と重ねて質問した。
「リハビリを繰り返せば、少しずつ日常生活は送れるようになるかと。」
医者がそう答えても、まだ満足のいかない母さんは更に質問を重ねた。
「野球は?また野球は出来るようになるんですか?」
『野球がまた出来るのか』これが俺と母さんにとって、一番気になることである。
右腕の怪我一つで選手生命を絶たれてしまう選手も少なくはない。
俺は元々、過去の怪我で右手首が弱かったから、余計に不安なところである。
「はっきり申し上げますと、」
医者は言葉を選びつつ話しているように見えた。
「長期間リハビリをしても、野球が出来るようにならない可能性もあります。」
その言葉は、俺に待ち受ける運命をごまかされているようで、もどかしかった。