ソルティキャップ
俺は過去に、事故で妹を失った。
だから余計に生きるということの幸せを感じるのである。
同時に、俺は妹の人生を背負っているのだと思う。
妹の分まで、幸せに充実した人生でなくてはいけないんだ。

「お、チュウチュウタイム。いいですねぇ。」
俺が真面目なことを考えているというのに、鮫島が冷やかして来た。
俺がエネルギーゼリーを飲んでいることを冷やかしているようだ。
「お前はねずみか」
呆れてつっこんでみたけど、鮫島はそれを華麗に交わして、
「にしても、ストイックですねぇ。夜遅くまで自主練だなんて。」
と言ってきた。
そういう鮫島も俺が練習終えるまで、自主練してたくせに。
「遅くまでありがとな。練習、付き合ってくれて。」
俺は部室に置いてある麦茶をコップに注いで、鮫島に渡した。
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