ソルティキャップ
10月20日日曜日
本来は昨日行くはずだった通院だが、急用が入り、急遽今日行くことになってしまった。真結さんには昨日行くって伝えていたから、突然お邪魔する形になってしまう。だから今日はいつもより多めにグミを買っていった。
彼女の病室へ行くと、彼女は窓の外をぼんやりと眺めていた。野球の試合がないと、とても静かだった。そのせいか、病室には悲壮感が漂っているような気がした。
「あ、陽介さん。今日来たんですね」
彼女がやっと口を開いたのは、俺が病室に入ってから1分ほど経ってからのことだった。
「すいません。昨日は急用が入ってしまって…今日突然来てしまいました」
この俺の一言で会話が途切れ、病室には沈黙が滞った。彼女の雰囲気が明らかにいつもと違っていた。やはり突然訪れるのは流石に迷惑だったのだろうか。
俺は沈黙に耐えかねて席を立った。
「俺、もう腹減ったんで帰りますね。あ、差し入れ、ここに置いておきます」
「お昼時ですからね、お元気で」
彼女は俺に微笑むと、また窓の外に視線を移してしまった。『なんか変』俺はそう思ったけど、掛ける言葉も見つからず、そのまま病室を出てしまった。
エスカレーターに乗って1階まで降りようとした時、その途中、上に向かうエスカレーターを、いつものおばちゃん看護師が駆け上がっていくのが見えた。
俺は胸騒ぎがして、急ぎ足で彼女の病室に戻った。
彼女の病室へ行くと、彼女は窓の外をぼんやりと眺めていた。野球の試合がないと、とても静かだった。そのせいか、病室には悲壮感が漂っているような気がした。
「あ、陽介さん。今日来たんですね」
彼女がやっと口を開いたのは、俺が病室に入ってから1分ほど経ってからのことだった。
「すいません。昨日は急用が入ってしまって…今日突然来てしまいました」
この俺の一言で会話が途切れ、病室には沈黙が滞った。彼女の雰囲気が明らかにいつもと違っていた。やはり突然訪れるのは流石に迷惑だったのだろうか。
俺は沈黙に耐えかねて席を立った。
「俺、もう腹減ったんで帰りますね。あ、差し入れ、ここに置いておきます」
「お昼時ですからね、お元気で」
彼女は俺に微笑むと、また窓の外に視線を移してしまった。『なんか変』俺はそう思ったけど、掛ける言葉も見つからず、そのまま病室を出てしまった。
エスカレーターに乗って1階まで降りようとした時、その途中、上に向かうエスカレーターを、いつものおばちゃん看護師が駆け上がっていくのが見えた。
俺は胸騒ぎがして、急ぎ足で彼女の病室に戻った。