ソルティキャップ
11月10日日曜日
あの一件からもう3週間が経つ。あれから俺は真結さんの病室には行っていない。何度もメールを送ろうか迷ったけど、結局送ることが出来なかった。
11月になり、もう木の葉が死を確信する頃合いである。肌寒くなり、厚めのジャンパーが手放せなくなった。俺はいつものように通院を終えると、今週も彼女の病室には寄らず、真っ直ぐ家に帰った。
帰る途中、ちょうど交差点で信号待ちをしている時、叶汰から電話が掛かってきた。当然、俺はその電話に出なかった。しかしその数分後、叶汰からメールが届いた。
[先日は犯人扱いして悪かった。真結が会いたがってるから来てほしい]
俺はスマホを閉じた。
「勝手すぎるだろ」
俺は横断歩道を渡り、もう家が目の前なところまで歩いた。不意にスマホが気になって、スマホを手に持つと、その瞬間、また一件メールが届いた。
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