ソルティキャップ
「俺、人が死ぬってことが本当に苦手なんです。俺ほんとは3つ下に妹がいたんですけど、交通事故で死んじゃって…俺が8つの時なんで、妹はまだ5歳で。公園から帰る途中、妹が大通りに飛び出したのに、俺、守ってやれなくて…話かけても反応しなくて、段々冷たくなってく妹を前にして、俺何も出来なくて…」
俺の顔はもうとっくにぐしゃぐしゃになっていた。口を開こうとすると、その分涙が溢れてきた。だけど、俺は必死に伝えたかった。何もやらなくて後悔するのは、もう勘弁だ。
「今度こそは、今度こそは大切な人を守りたいんです。だから、勝手に死ぬなんてやめてください。俺、もう真結さんいないと無理ですよ。叶汰だって、自分のことよりも真結さんのことが大事だから、真結さんのことが好きだから頑張れているんです」
真結さんは目を潤ませ、下唇を噛んでいた。
「俺らのことなんか頼りないかもしれないですけど、弱音吐いてくれたっていいし、八つ当たりで殴ったっていいですよ。俺らはそれぐらい真結さんが大切なんです。だから真結さんはそれに応えてください。全力で、生きてください」
俺は涙を拭い、真結さんを真っ直ぐに見つめてそう言った。真結さんは顔を隠し声を上げて泣いていた。
しばらくして、彼女が落ち着いてくると、俺は席を立った。
「俺、今日はこれで帰ります」
「もう帰るんですか?」
「ちょっと用事があるので」
俺は鼻声でそんな小さな嘘をついて、病室を後にした。病室を出ると、目の前には顔をぐしゃぐしゃにした叶汰が立っていた。
「ちゃんと話聞いてやれよ」
俺は叶汰に優しく囁いた。
俺の顔はもうとっくにぐしゃぐしゃになっていた。口を開こうとすると、その分涙が溢れてきた。だけど、俺は必死に伝えたかった。何もやらなくて後悔するのは、もう勘弁だ。
「今度こそは、今度こそは大切な人を守りたいんです。だから、勝手に死ぬなんてやめてください。俺、もう真結さんいないと無理ですよ。叶汰だって、自分のことよりも真結さんのことが大事だから、真結さんのことが好きだから頑張れているんです」
真結さんは目を潤ませ、下唇を噛んでいた。
「俺らのことなんか頼りないかもしれないですけど、弱音吐いてくれたっていいし、八つ当たりで殴ったっていいですよ。俺らはそれぐらい真結さんが大切なんです。だから真結さんはそれに応えてください。全力で、生きてください」
俺は涙を拭い、真結さんを真っ直ぐに見つめてそう言った。真結さんは顔を隠し声を上げて泣いていた。
しばらくして、彼女が落ち着いてくると、俺は席を立った。
「俺、今日はこれで帰ります」
「もう帰るんですか?」
「ちょっと用事があるので」
俺は鼻声でそんな小さな嘘をついて、病室を後にした。病室を出ると、目の前には顔をぐしゃぐしゃにした叶汰が立っていた。
「ちゃんと話聞いてやれよ」
俺は叶汰に優しく囁いた。