春風、漫ろに舞う
「困ったな…。
そんなに緊張しないでくれ…。
俺まで緊張するじゃないか…。」


「も〜。
藤くんは顔が怖いから緊張しちゃうよねえ。」


「え、あ…はい…。」


「私は、一条 千歳(ちとせ)
うちのバカ息子がお世話になってます。」


「あ、彩瀬 芽来です…。
藤雅さんのお母さんだったんですね…。」



ごめんなさい。
若くて可愛い人だから、てっきり愛人かと思ってました。
だって、子持ちには見えないんだもん。



「俺は、一条 藤仁(ふじひと)
一条組組長をしている。
分かると思うが…藤雅の父親だ。」


「あ、はい…。よろしくお願いします…。」



なんて言うのが正解なのか分からない。
お前によろしくされる筋合いはない、とか一喝されるかもしれないし…。


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