春風、漫ろに舞う
「芽来?順番来るよ!」


「ごめん、ボーッとしてた。
柑奈は何か食べる?」


「うーん、あたしはこのブラウニーにしよっかな〜!んで、李月には和風ミニパフェ。
芽来は?」


「わたしもブラウニーにしようかな。」


「おっけ!会計一緒に払うわ!
席持ってくとき手伝ってね!」


「分かった、ありがとう。」



柑奈と注文を済ませて。
出来上がるのをお渡し口付近で待ちつつ、わたしたちの話題はたまたま見かけた聖学の話になっていた。

たまたま、わたしたちの前に並んでいた子たちがあの白いセーラーワンピースを着ていたから。



「うわ!あいつらもスタカフェなんて来んの!?お嬢様が来たってなんも美味くないって!!」


「柑奈、聞こえるよ。」


「いいよいいよ!聞こえたって!
どうせ、あたしら庶民の話なんて聞いてないだろうし!!」



ギャハハ、と品のない声で笑う柑奈。

話が聞こえているであろう、聖学の生徒さんは困ったような顔をして目を伏せていた。





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