春風、漫ろに舞う
「2人ともこっちだよ。…ありがとう、お金払うよ。いくらだった?」


「お金は柑奈がまとめて払ってくれたの。
柑奈、レシートある?わたしも払うよ。」



李月と合流して席に着くと、カバンから財布を取り出して聞く。

確か、1000円あれば足りると思うんだけど。



「あー!いいよいいよ2人とも!
実は昨日バイト代出たからさ!!
ここはあたしの奢り!」


「え!?いいよ、払うよ。」


「そうだよ、私達払うよ。誕生日とかそういう日でもないし。」


「いいのいいの!!ここは柑奈様の奢り!
その代わり2人にはお願いがあるの!!」



お願い!と両手を合わせる柑奈。


あー…わたし、分かっちゃったかも。

そう思ってチラッと李月を見ると、李月も分かったようでニヤニヤ笑っていた。



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