春風、漫ろに舞う
「君が居なくなった日から…藤雅はずっとこんな状態だよ。」


「…えっ…。」


「最初の方は、君に連絡をしたりもしていたし俺たちもしてた。
だけど、タイミング悪く抗争があってね。
本当は君に直接会いに行くはずが、行けなくなって…。」


「…そんな……。」


「今ここに散らばっているのは、その時の相手さんの組の人間だよ。
元々、向こうから売ってきた喧嘩だから生きてても死んでてもどっちでもいいんだけど。」



じゃあ、もう…亡くなってるかもしれないってこと…?


藤雅がこうなったのは…わたしのせい…?



「話が逸れたから戻すけど…。
抗争は無事に終わった、うちの勝ちでね。
だから君に会いに行こうとしたけど…。
どうも見ちゃったみたいでね。
君が男と一緒にいるところ。」


「…男…?
…あ、もしかして、ひいらぎ…?」



何度か、柊とカフェで打ち合わせしたりもしていたから。
もしかしたら、どこかで…?



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