春風、漫ろに舞う
「芽来ちゃん、ありがとう。」


「え、いや…わたしも悪いので…。」


「それでも、戻ってきてくれて助かる。
さっきは酷いこと言って…ごめんね。」


「大丈夫です。
十葵の言うことは…間違ってないので…。」


「芽来ちゃん…。」



本当に、そう思う。
わたしは何かを決断するのが苦手だし、覚悟がないのも事実だから。

今だって、まだ迷うけど…逃げるんじゃなくて、その事に向き合ってみるのもいいのかなと思う。


まだ不安そうに眉を顰めながら眠る藤雅の頭を撫でる。

この人ならきっと、わたしが決断できない時力になってくれると思うから。
たまには、人に頼るのもありかな。



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