春風、漫ろに舞う
「大丈夫だ。
俺が何とかする。
芽来は、ご両親の日程だけ聞いといてくれ。」


「わ、分かった。」


「帰るぞ。」



そのまま、わたしの腰に手を回すと。
藤雅は病室を出ていこうとする。


え、待って。どこに?
入院とかしなくていいの?大丈夫なの?


心配するわたしを他所に、藤雅の後ろを十葵たちは着いてくる。

2人が止めないってことは…これでいいってこと…?



そのまま車に乗り込んだ時。
わたしは、ずっと気になっていたことを聞いてみることにした。



「藤雅たちは、前からお友達なの…?」


「ん…ああ、そうだな。
十葵の父親が俺の親父の下で働いててな。
きっかけはねえが、なんとなく一緒にに居るようになった。
蒼樹は…俺が拾った。」


「拾った…?」



え、どういうこと…?
拾ったって…。
これ、わたし聞いていいやつ?






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