春風、漫ろに舞う
李月と目を合わせて軽く頷いて。
柑奈の手を李月と握った。



「仕方ないなあ、一緒にやろうか。」


「今年は芽来もいるし、赤点は絶対回避だからね!」


「芽来…!李月…!!」



2人とも大好き!!と抱きついてくる柑奈。


その気持ちはとても嬉しい。
友達の役に立てるのも嬉しい。

でも…やっぱり苦手かも。
こういう女の子らしいお友達!って感じのスキンシップ。



「ほらほら、食べようよ。
わたしお腹空いちゃった。」


「そうだね!食べよ!!食べてからまた考えよ!!」



さらっと、違和感のないように。
空気感を変えるように仕向けた。

勉強か…。
柑奈がどれくらい理解しているか分からないけど、教えるならわたし自身はなるべく早めから始めよう。
人に教えるのは復習くらいの気持ちでやらないと…。
こいつに時間を割いたせいで自分が間に合わないなんて事になったら元も子もない。




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