春風、漫ろに舞う
「そんなことないだろ。
お前は俺の彼女で、結婚だってする。
場違いなんてこと、絶対にねえよ。」
「そんな風に言ってもらえるのは嬉しいけど、わたしには無理だよ。
今日はご飯食べてくるんだよね?
わたしも何か美味しいもの食べようかなあ。」
さらっと話を流して、わたしは藤雅の腕から逃げる。
リビングへ向かって、おもむろに冷蔵庫を開けた。
このことで藤雅とこういう雰囲気になるのも、正直初めてじゃない。
藤雅は、わたしを実家に連れて行ってちゃんとご両親に会ってほしいらしいけど。
その気持ちもわかる。
だけど、気まずいし…なにより、怒られたり別れろって言われるんじゃないかと思う。
こんな女、うちに相応しくないとか言われて。
「失礼致します。
若、お迎えに上がりました。」
「…ああ。」
ため息交じりにお茶を飲んでいたら。
蒼樹さんが入ってきて、わたしに会釈をしてくる。
反射的にわたしも頭を下げた。
藤雅と蒼樹さんの雰囲気、なんか苦手なんだよね。
主従関係というか、そういうのがはっきり分かって住む世界が違うのを見せつけられてる気分になる。
その点、藤雅と十葵の雰囲気は好き。
もちろん前みたいに、真面目な十葵の時もあるけど基本はフレンドリーな感じがするから。
お前は俺の彼女で、結婚だってする。
場違いなんてこと、絶対にねえよ。」
「そんな風に言ってもらえるのは嬉しいけど、わたしには無理だよ。
今日はご飯食べてくるんだよね?
わたしも何か美味しいもの食べようかなあ。」
さらっと話を流して、わたしは藤雅の腕から逃げる。
リビングへ向かって、おもむろに冷蔵庫を開けた。
このことで藤雅とこういう雰囲気になるのも、正直初めてじゃない。
藤雅は、わたしを実家に連れて行ってちゃんとご両親に会ってほしいらしいけど。
その気持ちもわかる。
だけど、気まずいし…なにより、怒られたり別れろって言われるんじゃないかと思う。
こんな女、うちに相応しくないとか言われて。
「失礼致します。
若、お迎えに上がりました。」
「…ああ。」
ため息交じりにお茶を飲んでいたら。
蒼樹さんが入ってきて、わたしに会釈をしてくる。
反射的にわたしも頭を下げた。
藤雅と蒼樹さんの雰囲気、なんか苦手なんだよね。
主従関係というか、そういうのがはっきり分かって住む世界が違うのを見せつけられてる気分になる。
その点、藤雅と十葵の雰囲気は好き。
もちろん前みたいに、真面目な十葵の時もあるけど基本はフレンドリーな感じがするから。