春風、漫ろに舞う
薄れゆく欠片

桔梗の花泪夫藍 芽来side

いつからだろう。
死にたいと思うようになったのは。
生きたくないと、思うようになったのは。



「……多分、中学生くらいからかな。
虐められたとかそういうのは無いけど、何となく毎日死にたいって思うようになってた。」



自分が思っていたより出血していたみたいで。
貧血のせいか、まだ頭がしっかりと回らない感じがする。


だけど、今話さなきゃ話す機会なんてない。
それに…藤雅の様子を見ると、自分のせいだって気にしてる。



「だけど、いざ死ぬのは怖かった。
飛び降りようともしたけど、上手く出来なくて。
その時くらいから、こうやって腕切ったり錠剤沢山飲んだりすると現実逃避が出来たの。」



ああ、ごめんね藤雅。
どんどん表情が曇っていくね。
自分の彼女が、こんな気持ちの悪い人間でごめんね。


それでも、わたしを支える腕を緩める言葉しないしなんなら力強く抱きしめてくれてるってことは期待していいのかな。
受け入れてくれる気があるって、思っていいの?
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