春風、漫ろに舞う
「俺以外の男と仲良くしてんじゃねえよ。」
「もう〜怒らないで。
大丈夫だよ、愛してるのは藤雅だけだから。」
「だとしてもだ。
…お前は、俺だけ見てればいいの。
俺の声だけ聞いて、俺のことだけ考えて。」
なんでこういうこと、サラッと言えるのかな。
大丈夫かな。
わたし今、顔赤くなってないかな。
もし赤くなってたら恥ずかしいから、藤雅で隠しておこう。
藤雅の手を繋ぐ自信はないから。
きゅっ、と藤雅の服の裾を掴んでいたら。
藤雅は流れる動作でわたしの手を取り、指を絡めてくれた。
その手は、家に着くまで離れることは無かった。
「あれ、なんか綺麗になってる…?」
「護衛の組員が清掃していてくれたみたいですね。」
部屋に入ってすぐに思ったこと。
てっきりあのままだと思っていたから、わたしの血とか錠剤とかで汚いかと思っていたけど。
むしろ、わたしが普段掃除するより綺麗になっててびっくりしちゃった。
わたしの汚れ、掃除させちゃったんだ。
申し訳ないなあ…。
他人の血なんて、汚いだけなのに。
「すぐに飯作りますんで。
若と芽来さんは、ゆっくりしてて下さい。
十葵は手伝え。」
「はいはーい。」
エプロンをつけながらキッチンに入っていく蒼樹と十葵を見送りつつ。
藤雅と2人、ソファに沈んでいく。
今何時なんだろう?
気になって、全然触っていなかったスマホを見るとお母さんから連絡が何通か入っていた。
もしかして、お母さんに伝えたの…?
「……なんだ。」
中身を見て、ほっと一息。
今回のことじゃなくて、最近どう?と様子を気にしているようだった。
お母さんには、言えない。
もう何度も繰り返していて何回も悲しませているから。
「もう〜怒らないで。
大丈夫だよ、愛してるのは藤雅だけだから。」
「だとしてもだ。
…お前は、俺だけ見てればいいの。
俺の声だけ聞いて、俺のことだけ考えて。」
なんでこういうこと、サラッと言えるのかな。
大丈夫かな。
わたし今、顔赤くなってないかな。
もし赤くなってたら恥ずかしいから、藤雅で隠しておこう。
藤雅の手を繋ぐ自信はないから。
きゅっ、と藤雅の服の裾を掴んでいたら。
藤雅は流れる動作でわたしの手を取り、指を絡めてくれた。
その手は、家に着くまで離れることは無かった。
「あれ、なんか綺麗になってる…?」
「護衛の組員が清掃していてくれたみたいですね。」
部屋に入ってすぐに思ったこと。
てっきりあのままだと思っていたから、わたしの血とか錠剤とかで汚いかと思っていたけど。
むしろ、わたしが普段掃除するより綺麗になっててびっくりしちゃった。
わたしの汚れ、掃除させちゃったんだ。
申し訳ないなあ…。
他人の血なんて、汚いだけなのに。
「すぐに飯作りますんで。
若と芽来さんは、ゆっくりしてて下さい。
十葵は手伝え。」
「はいはーい。」
エプロンをつけながらキッチンに入っていく蒼樹と十葵を見送りつつ。
藤雅と2人、ソファに沈んでいく。
今何時なんだろう?
気になって、全然触っていなかったスマホを見るとお母さんから連絡が何通か入っていた。
もしかして、お母さんに伝えたの…?
「……なんだ。」
中身を見て、ほっと一息。
今回のことじゃなくて、最近どう?と様子を気にしているようだった。
お母さんには、言えない。
もう何度も繰り返していて何回も悲しませているから。