春風、漫ろに舞う
「お母さんに電話してくるね。」



藤雅に一声かけて。
リビングを出ると、わたしはお母さんに電話をかけた。



『めぐ?』


「あ、お母さん?
ごめんね。今携帯見たの。」


『忙しかったの?』


「ん〜、ちょっとね。
バイトが忙しくてさ、今店長が体調崩してて。シフト多めなんだ。」


『も〜、あんまり無理しないでよ?
藤雅くんにも迷惑かけてないでしょうね?』


「大丈夫大丈夫。
変わらず過ごしてるよ。」



自室のベッドにごろんと寝転がる。

咄嗟に嘘をついたけど、心配かけるよりは全然マシだ。



『柊夜くんが家に来たわよ。
めぐと連絡が取れないって。』


「あー…今、携帯の調子悪くて。
後で連絡いれておくよ。
…うん、じゃあまた今週にはそっち行くから。またね。」



お母さんとの電話を終えてから、急いでパソコンの電源を入れる。

溜まった通知を遡れば、スマホにも柊からのメールや電話が来ていた。
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